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私を男と呼んでくれ(仮題)

第三話『奇妙な夢』


「あれ・・・どこだここ」
 確か俺はバイトの控え室で休憩をしていて・・・。
 その後が思い出せない。左手は点滴に繋がれている。ぽたりぽたりと一粒ずつ落ちる雫を眺めていると、カーテンが耳障りな音を立てて開いた。
「気がついたみたいだね」
 白衣を着た若い医師が、にこやかに言った。歳は三十手前だろう。よく「お若く見えますね」とでも言われそうな、優男顔だ。
「ここは――」
 どこ?と言い切る前に、その医師は「ここは病院の泌尿器科のベッドだ」と言った。
 それで理解した。近いうちにここへは何らかの形で来ると覚悟していたからだ。
「君は二日も寝ていたんだよ。こんな状態で無理な仕事をするからだ」
 呆れたように医師は溜め息をつき、握り込んだ人差し指を口元に当てた。
「目覚めて早々申し訳ないが、移動するよ」
 点滴のパックがぶら下がる台車をカラカラと引きながら、医師の後について部屋へ入った。
 消毒液のつんとした匂いが充満する部屋に入ると、医師はお決まりの心肺音を調べた。
「残念な話がある」
 心調器を置いて、医師は静かに切り出した。

「ああ・・・だと思いました」
 目を閉じて患部に集中するが、何の痛みも感覚も無い。
「痛みが激しいようだったから痛み止めを少し処方させてもらった」
「どうも」
「薄々気付いてはいたと思うが・・・その・・・」
 看護婦の方を見て頬を掻く素振りを見せる。ここにいる医師なら、もう飽きるぐらい言っているんだし、そんなにもったいぶられると逆にこっちが恥ずかしくなってくる。
「構いませんよ」
「ああ。すまない。エコー、血液検査、触診・・・これらの結果から、君の睾丸は重度のガンに侵されている事が解かった。まあ、正に病巣になっているわけだが――」
「・・・・・・」
 普段からこんな人なのか、看護婦は肘で医師の脇腹を強めに突いた。
「ゴホゴホ・・・すまない。いつもこんな調子でね。注意はしてるんだけど」
 スベって気まずくなったと思ったのか、医師はすまんすまんと苦笑いをした。それを知っていながら、何となく意地悪がしたくなり、俺は冷ややかな視線を医師に浴びせた。その視線にまた頬を掻き、すまなそうな顔で 「睾丸とはまあ当然だが・・・通常左右二つからなっているんだけど、君の場合その両方がガンに侵されている」と説明臭く話を始めた。痛みがある時からネットなどで調べてはいたが・・・まさか本当になっているとは・・・。絶望を握りつぶすように、目を強く閉じる。
「ガンの告知をこんな風に本人に言うとは思わなかったかい?」
「いえ・・・」
 睾丸癌の場合、命に関わる確率は少なく根治が可能な癌である為、告知を本人にする場合が多いと言う。なるべくなら他人には知られたくないというのが尤もな理由だが。
「根治―病巣を取り去ってしまえば完全な除去ができるんでね。君の場合も同様だ」
 医師はレントゲンを張り出し、幹部の説明をした。そして肝心な医療費の話も・・・。三十分程のの話し合いの末、ようやく話にも終わりの兆しが見えてきた。
「手術は二時間ほどだろう。希望すればその日のうちに退院できる。できるなら早めの方がいいから・・・木曜はどうだい?」
 すぅと息を吸い込む。口と鼻腔に充満する、消毒液の匂い。自分で調べていて覚悟ができていたのか、鎮痛剤で頭がぼーっとしているからなのか・・・俺はこの事実を素直に受け入れていた。
「お願いします」
 と、一言確認の言葉を吐くと、医師は「はい。全力を尽くします」とお決まりのセリフで答えた。

「鎮痛剤を多めに、一週間分出しておきますね」
「はい」
 窓口で薬を受け取り、病院を出る。
 まだ高い日差しは、容赦なくアスファルトの地面を焼いている。日に照らされた病棟は眩しいほどに白く、何故だか病的なイメージを受けた。
 病院を出て携帯を見ると、バイトの人からの着信やメールが溜まっていた。
 俺はこの病気のことを人に知らせるつもりは全く無かった――親友の塁にさえも。
 秘密と言うのは人に話さないからこそ秘密なのだ。誰かに言ってしまった時点で、秘密と言うのは周りに広がっている・・・そう考えた方がいい。つまり、秘密を漏らさない為には、それぐらいの注意が必要だと言う事だ。
 俺は全員に「貧血だった」と言い、電源を切った。
「これからどうしようか・・・」
 社会人で生活も安定しているなら先ず子供を作ろうとかなんとか考えるんだろう。だが自分には子供が欲しいとかなんとかの感情はまだ芽生えていない。生物としての役割――生物が誕生してから今日まで続いている連鎖――は、誕生し子孫を残し果ててゆく事だ。俺一人がその機能を失い、連鎖から外れたとしても・・・広義の意味では連鎖は続いてゆく。何も変わらない日常。世界の全てを見渡せる人がいたら・・・果たしてこのちっぽけな俺は見えるのだろうか。それとも、俺たち人間が行列の中の蟻を見るような感覚しか覚えないのだろうか。
 病院からタクシーでバイト先へ直行した。タクシーを降りると、テンポのよいレゲエが聞こえてきた。ディナーの時間帯に移行しつつある店内は、照明が落とされ、ちらほらと酒を飲む客も見える。
「咲矢!」
 皐さんが大声で俺を呼び、慌てて駆け寄ってきた。まるで五体のうちのどれかが無くなったとでも言うように体のあちこちを触り、眉を寄せて怒鳴った。
「貧血って・・・バカッ!! 体壊したら元も子もないじゃない!! 」
 その声に数人の客が何事かと振り向いた。だいぶヘビーローテーションで入っているからか、何人かの客は俺の顔を知っている。その中の一人に中埜さんがいた。中埜さんは四十代後半の家族もちで、かなりの愛妻家だ。キッカケは忘れてしまったが、ある日を境にバイト上がりに飲みに行くまでの仲になった。会釈をすると、「後でメールする」と携帯をコチコチと指差して叩いた。
「咲矢・・・大丈夫?」
 皐さんは目に涙を溜めて俺の手を握った。嬉しいが、油断は出来ない。俺の知る限り、彼女はこうやって男に付け入るのが巧いのだ。
「はぁ・・・」
 こうゆう時でも荒んだ考えを起こす。俺の悪い癖だ。自分にそれ程価値を見出せないくせに、酸いも甘いも考えを巡らせて他人を評価する。ホント、立派な勘違い。
 俺はかぶりを振って、鬱な考えを振り払った。
「咲矢?」
「いえ、大丈夫です。控え室に行って来ますね」
 カウンター脇にある観葉樹をどけながら、控え室に通じる廊下に入る。廊下は店内を彩る茶の内装とは違い、病院で見たような病的な白だった。
「入ります」
 ドアを開けるとすぐに店長愛用のアイボリーの机が現れる。控え室自体は広いが、店長の使い勝手の為にこんな邪魔なところに設置されているのだ。
「二日も空けてすみません」
「気にしないで今日は帰って休みな」
 二十代後半の店長は、俺の顔色を見ると、心底安心した顔でそう言ってくれた。そして煙草を一服。
「はい。医師の勧めで・・・一週間休みをもらいます」
「ああ。シフトの方は出られるようになったら出してくれ。電話でいい」
「はい。ありがとうございます」
 控え室を出ると、理恵さんがドアの前に立っていた。マイクロミニのスカートにプレイボーイのTシャツを着て、耳には長い髪でも隠れない大きなリングを着けている。あんまり見つめていると、鼻血でも出そうなカッコだ。
「咲矢・・・大丈夫?」
「はい・・・何とか。理恵さんは今からですか?」
「ないよ。温から咲矢が今店にいるってメールが来たから来てみたのよ。・・・で、どうして倒れたのよ」
「ただの過労でした」
 嘘は言っていない。過労であることも、はっきりと言われた。理恵さんは何だか納得のいかない顔をして、組んでいた腕を解いた。
「ふぅん。・・・まあ、いいわ。今日は送ってくよ」
 そう言いながら踵を返し、理恵さんはコツコツと硬いヒール音を響かせながら、廊下を歩いて行った。
「早くっ!」
 急かす理恵さんの後ろで、俺はモーレツに嫌な予感を拭いきれないでいた。

「やっぱり・・・」
 ハンヘルの中でぼやく。その声も景色と共に風に流され、一瞬にして消える。今抜いた車で、丁度十台目だ。ハングを切るのも命がけのこのレース。お回りでもいい。誰か止めてくれ。
 下腹部に再び痛みを感じてきた頃、ようやくアパートの前に着いた。白いコンクリートの無機質な集合住宅。残念ながら病的な白さではなく、所々に青いカビの生えた、生活感溢れる白だ。バイクを降り、俺は理恵さんを置いて上へと上がった。殴りつけるようにドアを開け、台所で薬を飲んだ。早めに飲まないと、また気の遠くなるような痛みがぶり返してくるからだ。
「ぷはぁ」
 水を一気に飲み干し、冷蔵庫に薬の束を隠し入れたところで、理恵さんが玄関を開けて入ってきた。
「子供、病人は早く寝なさい!」
 「随分老けた事言うんですね」と毒づくと、理恵さんは「今言った事憶えておきなさいよ」と笑った。俺は言われた通りベッドに横たわり、薬が効き始めるのを待った。
「何か買ってきてあげようか?」
「いや、いいっす」
 風邪じゃないのに、理恵さんは冷えたタオルを頭に乗せ、軽くキスをした。何てことはない。ただの挨拶だ。
「じゃあ、何かあったら電話してね」
 ケータイを振り振り、理恵さんはドアの外に消えた。頼れる姉貴分。

 目を開けると、夜中の二時だった。痛みがぶり返す事を恐れた俺は、再び薬を飲んだ。
 携帯にはメールの着信を示す青いランプが点っている。大方中埜さんのメールだろう。ケータイを取り上げ見ると、案の定中埜さんだった。関西弁でギャグが綴られた後、今日のは何だったのか聞いてきていた。夜中の二時に返信するのも悪いので、そのままベッド脇に置いた。
 コチコチと時計が刻む一秒一秒を耳に感じながら、俺はいつの間にかまた眠りに着いた。

 朝目が醒めると、ベッドの前に白い女の人が立っていた。レースの様に透き通る服を着ている白人女性・・・確信はないけど。見た目は文句無い。まあ、泥棒でも許そう。この子なら。
 何故だか、俺はこの子を好いている様な気がした。前から知っている友人の様な・・・これから出会う恋人の様な。彼女は優しく頬を撫でると、首筋に舌を這わせ胸、腹を服越しに舐めた。股間にまで到達すると、今度は全身を乗せながら舌を首筋にまで戻す。卑猥な映像の癖に、ちっとも感覚が無い。少し残念。耳元を風の様になぞると、彼女はニヤリと気色の悪い笑みを浮かべて俺の股間に手を添えた。タオルケットで覆われているはずの下半身に、まるで心霊医術の様に手を突き入れ、そこから何かを取り上げた。
 途端に彼女は彼に変わり、俺は―――

 そこで再び目が醒めた。額は汗でびっしょりと濡れ、下腹部に鈍痛を感じた。這う様にして台所に行き、薬を飲んだ。効き始めるまでにまだ時間があるのに、飲んだと言う事実だけで安心し、痛みは幾分か和らいだ。
 あの夢は何だったんだろう。抽象的でもあり、何故だか現実的でもあった。俺が女に?・・・まさか!ホルモン注射には相当の金が掛かる。俺は医師の言うとおりには動かないつもりだった。バイトで稼いだ夢への貯金も、手術代だけで三分の一も使うのだ。神様ってのがいるとしたら、これ以上俺から何を奪うっていうんだ。枕を上へ放り投げ、思い切り殴り飛ばした。玄関の方まで飛んだ枕は、やはり自分で取りに行かなければならない。空しい後悔。
 腹が減ったので、近くのコンビニに行く事にした。アスファルトがジリジリと太陽で焼かれた熱気は嫌と言うほど体を焦がす。コンビニの駐車場で楽しそうにバカ話をするカップルを蹴り飛ばしたい気持ちを抑えて、クーラーの効いた店内に入った。
 みんなの心が開放的になる夏も、コンビニの店員には興味が無いのだろう。季節感の無い口調で仕事をこなす彼らを見ていると、ふとそんな考えが浮かんだ。俺らがコンビニの店員としてひとくくりに見ている彼らも、家に帰れば友達と一緒に遊ぶガキに変わるのだ。無表情に、ただ機械の様に仕事をこなしている彼らには、そんな日常さえも感じられなかった。

 コンビニを出て煙草を蒸かしながら家に帰った。久々の煙草に肺が満たされる。ふいに、行き交う自動車や人々が、何となく”ひとくくり”に見えてしまった。これから連鎖から外れようとする俺故なのか。こんな事を考えているせいなのか。分からないが、レンズ越しに見るような・・・そんなフィルターのかかった世界を見て、ふいに頬を涙が伝った。―――交差点で信号を待ちながら。
 気づくと信号は青に変わっていた。盲目者用の沈んだ音楽を聞きながら、俺はとぼとぼと歩き出し、家へ向かった。

 台所で湯が沸くのを待っている間に、ケータイが三回鳴った。一件目は温。俺のことを心配して必要なものがあれば持って行ってやると、嬉しいメールをくれた。もう一件は理恵さん。こちらも同様に心配メール。この二人が俺の病名を知ったら、笑って茶化してくれるだろうか。・・・むしろ、その方が有り難い。三件目は、さやかだった。この夏から銀座の高級クラブでバイトを始めるのだと言う。散々反対したが、元カレ如きが口を出せるものじゃない。あいつの人生は、過去の俺なんかじゃなく、間違いなくさやか自身で握っているのだ。ましてそれは、自分の夢を叶える為に必要な金を作るのだ。むしろ勇気付けて送り出してやらなければならない。例の如く飲みの誘いがあったが、断わりのメールを送って、ケータイを布団の上に投げた。台所から、ピューピューと湯が沸騰する古めかしい音が聞こえている。俺は立ち上がり、急須に新しい茶葉を入れて茶を淹れた。
 一人暮らしのくせに茶を飲むのが習慣づいたのは、祖母のせいかも知れない。家でぼーっとしている(時は少ないが)時は日に十杯以上は飲む。実家から送ってくる茶が美味いと言う事もあるが、何故か健康に良い気がしたからだ。不健康な生活をする俺の唯一の健康法。
 茶をすすりながらテレビを見るという、いかにも日本人的なお昼を過ごした。窓から見える入道雲が病的なまでの白さを見せる。空に吸い込まれそうになるその直前、玄関でインターホンが鳴った。
「咲矢!」
 皐さんだ。煎餅をバリバリ齧(かじ)りながら「開いてます」と言うと、すぐさまガチャリとドアの開く音がした。擦りガラス越しに見える人影は二人。声を発しないところを見ると、また俺の知らない友達なのだろう。
「病人のくせに、部屋だけはちゃっかりと片付いてるんだね・・・」
 居間兼寝室兼客間の六畳一間を見て、皐さんは感心したように言った。
「お茶すすりながら煎餅食べてる・・・」
「これが落ち着くんですよ」
 バリバリと景気の良い音を響かせながら、俺は開いてるソファを促した。
「で、今日は誰連れてきたんですか?」
 台所兼玄関と居間兼寝室兼客間を繋ぐ擦りガラスの扉の向こうには、スレンダーな長い髪の(多分美女)女性が見える。丁度テレビでは、擦りガラス越しに隠れた有名芸能人を当てるクイズをやっている。
「へへ〜。聞いて驚け!」
「理恵さんのおかげで大抵の事には驚きませんよ」
「今回は何と、レズピアンの白人さんです!」
 ・・・素直に驚いた。―――レズで白人?意味がわからん。
 だが数分後、俺は嫌でもその冗談を信じる事になる。
「ジャスミン! 入ってきていいよ」
 ガラリとドアを引いて現れたのは、スリランカの茶葉みたいな名前をした長い金髪の女性だった。目鼻立ちはすっきりとしている。青い目が先ほどまで見ていた空に重なり、今度はこっちに吸い込まれそうになった。やはり美女。
「ほんとに白人女性なんだ・・・」
「うん」
 目の前にあるお気に入りの餅吉のしょうゆ煎餅を取り上げ、バリバリと噛みながらけろりと答えた。
「あの・・・」
「ん?」
「何で連れて来たんですか」
 皐さんは一瞬きょとんとした後、何となくと答えた。・・・ホントに”何となく”っぽい気がする。
「Naice to meet you」
 何故か英語の俺。
「me too! お邪魔しマス」
 フレッシュな発音の後に不自然な日本語。・・・違和感ありすぎだ。
「ジャスミンは普通に日本語解かるから無理しなくていいよ」
 パリンと最後のひとかけらを口で割り、俺からお茶を奪って飲み下した。ぼぅと立たしているのも悪いので、俺は皐さんの横に座るように言い、茶と煎餅を用意する為台所へ立った。
「そうそう、何でここに寄ったんですか? あんまりついでで来るような土地柄じゃないですよね」
 皐さんはジャスミンと顔を見合わせて笑った。・・・何故?
「はい、どうぞ」
「アリガトマシタ」
 うん。日本の”礼”は解かるようだ。この茶の味も理解してくれると有り難いのだが。
「美味しいデス」
 うん。好感が持てる一言。俺は素直に好きになりそ―――待て、何かおかしい。どこかでこの子を見た気がする。俺は―――どこで。
「咲矢?」
 皐さんのその声で、真っ白だった視界は急激に色を取り戻した。
「病気のトコ悪いんだけど・・・今日さ、ちょっとワケありでここに泊まらせてもらうね」
「は?」
 ついすっとぼけた声を出してしまった。皐さん&謎の白人レズピアン女性と同じ部屋で夜を過ごす?何言ってんだ、この人は。俺は間髪入れずに断ったが、逆に間髪入れずに「一生のお願い」と、謎の白人女性と共に頭を下げられた。
「まあ、風邪じゃないんでいいですけど・・・(むしろ嬉しいが)Partnerの人たちには黙っててくださいよ。・・・特に温の耳に入ったら、何言われるか分からないですから」
 最後の部分は聞こえていたのだろうか。皐さんはジャスミンに抱きつき、濃厚なディープキスをした。―――ヤメテクレ。

「じゃあ、夕方には戻るから!」
 今夜の宿を確保した二匹は、意気揚揚と玄関から出て行った。健康な男子であれば、今夜は夢の様な夜になることだろう。残念ながら、今の俺は例えヘタレと言われても事を起こせない理由がある。何とか今日を乗り切れば、明後日には手術が待っている。二人が出て行った後の、がらんとした部屋を見て、俺は溜め息をつかざるを得なかった。

 

To be continued

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